サッポロビールは、2019年からセブン&アイグループ限定のビール、ホップ畑からシリーズを数量限定販売しています。
サッポロビールにはホップ栽培に取り組んできた長い歴史があり、それを支える生産者を商品名に冠したものがこのシリーズ。数量限定のため、過去のビールは販売終了となっています。
このシリーズ全種類のビールを飲んでみたので、味わいなどについて紹介します。
ホップ畑シリーズは全7種類
サッポロビールのセブンプレミアム「ホップ畑から」シリーズは、2019年7月30日にサッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑からが発売されてから、現在まで7種類発売されています。
商品名 | 発売日 | メインのホップ | |
1 | サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から | 2019年7月30日 | フラノスペシャル |
2 | サッポロ セブンプレミアム 青森田子町 田沼さんのホップ畑から | 2019年11月18日 | リトルスター |
3 | サッポロ セブンプレミアム 上富良野 小丹枝さんと大角さんのホップ畑から | 2020年6月29日 | ふらのほのか |
4 | サッポロ セブンプレミアム 岩手県岩手町 三浦さん親子のホップ畑から | 2020年10月12日 | 信州早生 |
5 | サッポロ セブンプレミアム 上富良野 佐藤さんのホップ畑から | 2021年6月28日 | ゴールデンスター |
6 | サッポロ セブンプレミアム 岩手県軽米町 中里さんのホップ畑から | 2021年10月18日 | 信州早生 |
7 | サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から | 2022年6月20日 | フラノマジカル フラノスペシャル |
サッポロビールは、明治時代に開拓使麦酒醸造所という名称だった頃から、国内生産者と大麦とホップ生産に取り組んできました。それが現在の協同契約栽培へ引き継がれているのですが、その協同契約栽培の生産者と生産量が限られた国産ホップを使っているのがこのシリーズ。
それぞれ、生産者と使用しているメインのホップは異なっています。
第1弾 サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から
シリーズ第1弾は、サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から。2019年7月30日に発売された、フラノスペシャルをメインに使用したビールです。
このビールに使われているフラノスペシャルというホップは、遺伝的にソラチエースの娘にあたるものです。ソラチエースはサッポロビールが育種し、アメリカをはじめ海外で人気になったホップで、サッポロビールの商品としてSORACHI1984というビールがあります。
フラノスペシャルは特徴的な香りがありつつも、苦味成分の含有量が多いホップ。サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑からは、爽快感が魅力的なビールでした。
そして今日は「セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から」を飲みました。ホップの爽快感がいい! pic.twitter.com/uWKxznETvD
— 富江弘幸|ビールライター・編集者 (@hiroyukitomie) August 25, 2019
第2弾 サッポロ セブンプレミアム 青森田子町 田沼さんのホップ畑から
シリーズ第2弾は、サッポロ セブンプレミアム 青森田子町 田沼さんのホップ畑から。2019年11月18日に発売された、リトルスターをメインに使用したビールです。
青森県田子町は、かつてホップ栽培の盛んなエリアでした(日本の古くからのホップ産地はだいたいそうですが)。1960年代には40軒以上のホップ農家がいたそうです。このビールが発売された2019年には、後継者不足もあり、青森県田子町のホップ農家は田沼さん1人でした。
リトルスターは、2005年に品種登録されたホップです。毬花が小さく鈴なりになる様子が満天の星のようなので、リトルスターと名づけられたといいます。主に香りづけに使われるアロマホップで、収量もよく栽培の手間がかからないということで、作付面積は増えてきているそうです。
全体的にクリーンで穏やかな味わいでした。
#今日のビール はこちら。青森県田子町で唯一となってしまったホップ農家、田沼さんが育てたホップ「リトルスター」を使ったビール。全体的にクリーンで穏やかな味わい。
No.002 セブンプレミアム 青森田子町 田沼さんのホップ畑から(サッポロビール) pic.twitter.com/FLBb0DgSBg
— 富江弘幸|ビールライター・編集者 (@hiroyukitomie) January 2, 2020
第3弾 サッポロ セブンプレミアム 上富良野 小丹枝さんと大角さんのホップ畑から
シリーズ第3弾は、サッポロ セブンプレミアム 上富良野 小丹枝さんと大角さんのホップ畑から。2020年6月29日に発売された、ふらのほのかをメインに使用したビールです。大角さんは第1弾以来、2度目の登場。
北海道上富良野町は明治時代からのホップ生産地ですが、このビールが発売された2020年にはホップ生産者は4軒のみ。ふらのほのかを育てているのは、そのうちの2軒だけです。
ふらのほのかは、2016年に品種登録されたばかりの新しいホップ。主に香りづけに使われるアロマホップで、上質な香りと苦味が特徴です。収量が多いのも、ホップ生産者にとってはメリットでしょう。
味はというと……飲んだ写真はあるのにツイートもテイスティングメモも残っておらず。おいしかったと思います……。
第4弾 サッポロ セブンプレミアム 岩手県岩手町 三浦さん親子のホップ畑から
シリーズ第4弾は、サッポロ セブンプレミアム 岩手県岩手町 三浦さん親子のホップ畑から。2020年10月12日に発売された、信州早生をメインに使用したビールです。
信州早生は古くから栽培されているホップ。日本の伝統的なホップといえば信州早生といってもいいくらいではないでしょうか。1910年代に生まれ、現在でも日本各地で栽培されていますし、
そんな信州早生を使ったサッポロ セブンプレミアム 岩手県岩手町 三浦さん親子のホップ畑からですが、半額弁当と一緒に楽しんですみません……。
今日は「セブンプレミアム 岩手県岩手町三浦さん親子のホップ畑から」とスーパーの半額弁当。#今日のビール pic.twitter.com/kV7oOMTTUN
— 富江弘幸|ビールライター・編集者 (@hiroyukitomie) October 15, 2020
第5弾 サッポロ セブンプレミアム 上富良野 佐藤さんのホップ畑から
シリーズ第5弾は、サッポロ セブンプレミアム 上富良野 佐藤さんのホップ畑から。2021年6月28日に発売された、ゴールデンスターをメインに使用したビールです。
ゴールデンスターはサッポロビールが育種したホップで、2021年現在、日本国内で栽培しているのは佐藤さんのみ。さわやかな香りとすっきりした苦味が特徴です。
サッポロビールにはゴールドスターという新ジャンルもありますし(ゴールドスターにゴールデンスターは使っていないと思いますが)、ゴールデンスターはサッポロビールの期待を背負ったホップなのだろうなという名前ですね。
味わいとしては、軽い飲み口の後にしっかりした苦味が現れます。一瞬ですけどね。スッと消えます。ホップの香りが濃いなと(強いわけではない)思ったビールです。
#今日のビール は「サッポロ セブンプレミアム 上富良野佐藤さんのホップ畑から」です。
使っているホップは「ゴールデンスター」で、日本で栽培しているのは佐藤さんだけだそうで。
飲み口は軽いんだけど、最後に一瞬だけ苦味の花火が打ち上がりますね。どーんと。スッと消えるけど。
んまい。 pic.twitter.com/KAWuZaBB41
— 富江弘幸|ビールライター・編集者 (@hiroyukitomie) July 7, 2021
第6弾 サッポロ セブンプレミアム 岩手県軽米町中里さんのホップ畑から
シリーズ第6弾は、サッポロ セブンプレミアム 岩手県軽米町中里さんのホップ畑から。2021年10月18日に発売された、信州早生を50%以上使用したビールです。
ひとつ前のサッポロ セブンプレミアム 上富良野 佐藤さんのホップ畑からまでは、缶に「第◯弾」と表記があったのですが、今回からはその表記が消えています。
使用しているホップは信州早生で、シリーズ第4弾のセブンプレミアム 岩手県岩手町 三浦さん親子のホップ畑からと同じですね。
生産者の中里さんは、岩手県軽米町の岩手県北ホップ農業協同組合最年少農家だそうです。その中里さんが栽培したホップを使って、サッポロビールの若手ブリューマスター小泉智洋さんが醸造。
第5弾までのビールもおいしかったのですが、今回は特に好みの味わいでした。香りはさほど強くありませんが、麦芽の甘味とホップのじんわりとした穏やかな苦味の組み合わせが好印象。ドリンカビリティが高く、非常においしいビールでした。
第7弾 サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から
シリーズ第7弾は、サッポロ セブンプレミアム 上富良野 大角さんのホップ畑から。2022年6月20日に発売されました。メインで使用されているホップはフラノマジカルとフラノスペシャル。
大角さんは第1弾、第3弾に続いての登場です。フラノスペシャルは第1弾でも使用されていました。今回使われているフラノマジカルは、2021年に品種登録されたばかりの新品種。フルーティで芳醇な香りが特徴で、さわやかな香りが特徴のフラノスペシャルと組み合わせて使用されています。
フルーティーさとしてはそこまで強くないかな…と思っていたら、飲んだあとに鼻から抜ける香りや口の中に残るフレーバーがフルーティーですね。レモンっぽさやぶどうっぽさが軽く感じられ、そしてさわやか。軽やかな苦味とのバランスもいい、おいしいビールです。
オムニ7で購入できる場合も
ホップ畑からシリーズは、セブン&アイグループ限定販売なのですが、セブン&アイグループの総合通販サイトオムニ7でも購入できます(残っていれば)。
ぜひ今後もこのシリーズが続けばいいなと思いますね。次に使われるホップは何だろうかと想像してしまいます。これがきっかけで、ホップそのものや日本でのホップ栽培に興味を持ってくれる人が増えれば……と、勝手に思っています。