川越といえば蔵の街。川越はコンパクトな街なので、1日あれば蔵の街など主要な観光スポットを周ることができます。
そして、どうせなら何かおいしいものも食べたいものです。鰻とかね。川越は鰻が有名ですので、ぜひいちのやとか小川菊とかに行ってみてください。最高においしいので。
で、もう1食何か食べようということになったら、武蔵野うどんなんてどうでしょうか。武蔵野うどんは川越だけの名物ってわけでもないのですが、おいしい店がいくつかあります。今回は、観光にちょうどいいお店をご紹介しましょう。
武蔵野うどんとは
武蔵野うどんとは、埼玉県西部から東京多摩地域にかけて伝統的に食べられてきたうどんです。もともと、このあたりは武蔵野台地といわれる地域で、小麦の栽培が盛んでした。そのため、各家庭でうどんを打つようになり、郷土料理的に食べられるようになってきたものです。
特徴としては、ゴツゴツ、ゴワゴワといった言葉で表現されるようなコシの強さ。讃岐うどんよりもコシが強く、かたい食感です。これをざるに盛り、醤油ベースの出汁に豚肉や野菜を入れた肉汁につけていただきます。
昔から武蔵野うどんという呼称があったわけではなく、「うどん博士」の加藤有次氏(國學院大學名誉教授)によって名付けられたといわれています。
川越で観光ついでに武蔵野うどんを食べるなら小江戸蔵里の八州亭へ
川越は武蔵野台地の北端にあたる地域で、武蔵野うどんが食べられており、武蔵野うどんの名店もいくつかあります。
藤店うどん 川越店とか、真打とか。でも、ちょっと観光スポットからは離れているんですよね。もちろん、観光スポットの近くにあるおいしいお店もあります。武蔵野うどん 湊とか、ゆ乃うどんとか。でも、もうちょっとゆっくり落ち着いて食べたいと思うことも。
というときに意外とおすすめなのが、小江戸蔵里にある八州亭です。
おみやげ処、まかない処、ききざけ処がまとまった小江戸蔵里
小江戸蔵里は、3つの蔵をメインに再利用した施設で、おみやげ処、まかない処、ききざけ処があります。そのひとつのまかない処が八州亭ですが、おみやげ処でお土産を買ったり、ききざけ処で埼玉県の日本酒をテイスティングしたりできます。
同じ敷地内には、ユネスコ無形文化遺産にも登録された川越まつりで使用する「徳川家光の山車」も保管されています。
場所は、JR・東武の川越駅から蔵の街方面に延びるクレアモールの北端近く。西武の本川越駅も近くです。さらにその先には、大正浪漫夢通りがあり、蔵の街へとつながります。観光の途中に立ち寄れる場所にあるので、非常に便利。川越観光はここを拠点に考えてもいいくらいだと思っています。
まかない処の八州亭で肉汁うどんを
八州亭は、小江戸蔵里の中の大正蔵にあるお店です。天井が高く、開放感のある空間で料理を楽しむことができます。このコロナ禍で、八州亭のメニューは少々減ってしまったようですが、うどんは健在。
「武蔵野ざるうどん」と「川越三元豚の肉汁うどん」がありますが、迷わず「川越三元豚の肉汁うどん」を選びましょう。もちろん、「武蔵野ざるうどん」でもいいのですが、どうせなら肉汁うどんを食べていただきたい。これです。
一見、量は少なめにも見えるのですが、いくらでも食べられる大学生でなければ十分な量だと思います。1本1本を咀嚼するのにもパワーが必要。
やや平たい感じもある麺です。前述のとおり、ゴツゴツ、ゴワゴワといったイメージですね。これを肉汁につけていただきます。
肉汁には、豚肉だけでなくネギ、油揚げ、しいたけなどがどっさり。本当にどっさりです。つけ汁なので、ちょっと濃い目の味付けになっています。
食べるときは複数本をまとめて食べないように。1本ごと食べましょう。口の中で処理しきれないので。咀嚼に時間がかかってしまいます。麺1本と肉汁の具材を一緒に口の中に入れると、それはもう最高のハーモニーを奏でます。柔らかい具材からじゅわっと出てくるつゆと、ゴワっとしたうどん。
これを蔵の中でゆっくり味わえるのは本当に贅沢です。
コロナ禍で人出がどうなっているのかわかりませんが、念のため予約しておくと安心。ここから川越観光を楽しんでください。
八州亭の店舗情報
八州亭
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00(月〜金)、11:00~22:00(土・日・祝)
定休日:なし